第20作 寅次郎頑張れ

今回は、第20作・寅次郎頑張れ!の作品のロケ地を旅した。
久々のツーリングとあって少し最初は緊張気味ではあったが、じきに慣れて今回も安全運転で無事の帰還である。

取材日は、2011年5月7日である。
物語を簡単に解説すると、電気工事の仕事をしている良助(中村雅俊)はとらやに下宿中。行きつけの食堂で働く幸子(大竹しのぶ)に恋をするがふられたと思い、とらやの2階でガス自殺を図るが失敗。良助は故郷の長崎県平戸島に帰ってしまう。寅さんは良助を励まそうと思い平戸島を訪ねる。ところが良助には土産物店を営む姉の藤子(藤村志保)が居て、例のごとく一目惚れとなり、島に居付いてしまう・・・。

平戸大橋

GWの最後の土曜日とあって交通渋滞もなく、スムーズに平戸まで到着。
ロケが行われたのは今から34年前の1977年、寅さんも田平からは連絡船で平戸に渡っていた。今ではこの平戸大橋が開通し一気に渡ってしまう。

長崎ちゃんぽん

平戸大橋を渡ると、あっという間に平戸港に着いた。

ちょうどお昼になったので腹ごしらえをすることとした。
事前の情報収集もなかったので、平戸に来たら何を食べようと迷ってしまう。目についたのが「チャンポン」という旗。躊躇なく食堂に入る。そこで早速「平戸チャンポン」を注文。ふと目線を壁のPOP?に移すと「くじらチャンポン」という文字があるではないか。すかさず「くじらチャンポン」に注文を変えた。
具にはくじらの白身と赤身の部分が何枚か入っており、コリコリとして食感は面白い。長崎の中華街で食べるチャンポンとはまた違うテイストであった。

平戸1

平戸2

寅さんは、港のこの場所で良助と面会し、このような会話になる。
“ゆっくりしてってくいださいよ。せっかく来たんすから”
“いやあ、もう帰る。お前の元気な姿を見たら用事済んだようなもんだ”
“しかしまあ、つまんない島だね~。面白くもなんともあらしないよ”
“魚はうまいすよ、せめて晩飯くらい”
“いやー、結構!”・・・“親父とおふくろによろしくな”
“俺、親父もおふくろもいないんだ。姉さんと暮らしてんだ”
“姉さん???、じゃあその姉さん夫婦によろしく言ってくれや”
“姉さんには亭主なんかいないよ”
“はぁー、ひとりもんかぁ・・・”
“俺、姉さんと二人暮らしなんだ”
“はぁ~、なんか喉もかわいてきたな・・・”
“じゃあ、お茶でも飲んでいきませんか”
“行きましょう!!!”
という訳で、一緒に良助の家に向かう。

平戸の宿
平戸の宿2

姉の藤子は、松浦資料博物館の入り口の場所で土産物屋を営んでいた。
“居た居た、あれです”
“おい、お前んところ魚うまいっていったな、・・・なんだか俺腹すいちゃった”
という訳で晩飯をごちそうになっていまう。
ちなみに、撮影当時はもっと狭い道路であったが、ご覧のとおりずいぶん広くなっていた。またお店も建て替えられていたが、今も当時のオーナーが土産物店を営んでいる。

平戸3

翌日、寅さんは張り切って仕入れの買い出しに出かける。
この「幸橋」のある場所から左手の港のほうに、自転車のブレーキのレバーの部分を握りながら(昔ワイヤー式のブレーキではない頃、自分たちもこんな運転をしていたことが思い出されて笑ってしまう)、「憧れのハワイ航路」を歌いながら駆け抜けていく・・・。
“♪別れテープを笑顔で切れば~~とくらー・・・ああ~憧れのハワイ航路~~か・・・”

平戸の教会

平戸の街

日曜日の朝、藤子と寅さんは平戸ザビエル記念教会の礼拝に行く。
帰り道、今は「寺院と教会の見える風景」の散策地となっているこの通りで、
“しかし日曜日の朝、教会でお祈りをするってえのはなんか気持ちがすっきりするっていうのか・・・いいですね”
“じゃあ、今度の日曜日も来てくださる?”
“いいですよ!”
“・・・私はね、寅さん、口下手で思うとることがうまく伝えられんバッテン、寅さんが来てくれたことばどんなに感謝しているか・・・、これも神様のお引き合わせよ”
“わたくしもなんとなくそのような気が・・・”
二人でいい感じの会話が進む・・・。

平戸の入江

さて、映画のストーリーとは後先になってしまうが、平戸に入る前にバイをしたのがこの「浜尾神社」。
お祭りで村人が集まっており、いつものように粋な口上・・・。
“・・・さあ、あさのたくみのかみじゃないけど、今日は腹切ったつもりでまけちゃう。ものの始まりが一ならば、国のはじまりがやまとの国、島のはじまりが淡路島、泥棒のはじまりが石川の五右衛門だ、ねぇ、すけべえのはじまりはこのおじさんときたよ。さあ、続いた数字が二だ・・・”
と続く。

さて、このシーン、平戸⇔平戸口のフェリーの乗船の前に行われているが、実はこの浜尾神社は平戸の町の北のほうにあるた田助という港にある。
今回は、この後隣島の生月島にも足を延ばした。こちらも平戸島との間に橋ができており今はすっかり便利になっている。

そして、宿は平戸に戻り民宿に泊まった。予約もせずに来たので平戸港にある観光協会で紹介してもらったのであるが、それが偶然にロケ地の土産物店「おたち」のすぐに隣であった。今はオーナーが代わってしまっているが当時はロケのメンバーが泊まったところらしい。海の幸を中心とした料理に今宵も酒が進んでいく・・・。